伊勢神宮社木の杉で、座卓を作る。

伊勢神宮社木の杉を使って、座卓を作らせていただきました。
推定樹齢は350年以上。(※推定方法は文末に記載)
浮造りになっていた原板を、平らに削り直します。

脚の取り付けは木ダボで。

金属は結露を呼ぶので、なるべく金属パーツは使いません。
ドリルで穴あけ。


接着剤を入れて、万力で圧着。

上手にできました。

塗装は、お客様の手で。

当社でご用意したのはプラネットカラーのハードクリアオイル。
化学物質過敏症の方や、小さなお子さんがいても安心。

裏から塗って。

表は二度塗り

無事搬入できました。
上写真の、座卓のすぐ右手が薪ストーブでした。
ひと冬経過してから様子を伺いに再度訪問したところ、幸い大きな狂いはありませんでした。
(※樹齢推定方法)
当該材は樹芯なく、下記の計算式により樹齢を求めました。
推定年月日:令和6年4月5日
対象:伊勢神宮社木 杉
当社管理番号:O-157イ(樹芯寄り)、O-157ロ(樹皮寄り)
推定方法:試料実測 および 樹芯位置推定式による計算
試料:O-157イの末口断面(地上3mと思われる)
試料実測:216年。ただし耳はあるが樹芯なし。よって以下の推定式を用いる。
樹芯位置推定式:(便宜上、年輪を真円、樹芯は中心にあるものと仮定する)
弧を認識できる年輪上に点A、Bを決める。誤差を小さくするため両点はなるべく離れた二点としたい。

ABを直線で結び、中間点をCとする。
Cから垂線を伸ばし弧との交点をDとする。同垂線は反対方向に樹芯Eが想定される。
交点Cは直角であり、二つの直角三角形BCDとBCEを作る。
線分CDをa、BCをb、BDをcとする。
線分BEは当該年輪の半径rであり、DEに等しい。したがって線分CEは(r-a)となる。(※このr-aが未確認年輪部分です。)
ひとまずrを求める。
直角三角形BCEは三平方の定理より、
r2(※rの2乗と読んでください)=(r-a)2+b2
=r2-2ar+a2+b2
rを左辺に移項
r2-r2+2ar=a2+b2
2ar=a2+b2
r=(a2+b2)÷2a ―①
ところで、三角形CBDも直角三角形である。
各辺の長さは三平方の定理で、
a2+b2=c2 —②
① に②を代入すると、
r=c2÷2a —③
これを樹芯位置推定式とする。
試料として、樹皮から180年目の年輪を採用。

実測値は以下の通り。(小数点以下省略)
a =84mm
b =279mm
c =291mm
上記③に各数値を代入すると、
r=(291×291)÷(2×84)
=84681÷168
=およそ504
すなわち当該年輪から樹芯までの距離は、504mmと推定されます。
この504mmの中に何年分の年輪があるか(x)を推定するには、
aの長さとの比例が適切と考えます。(欠如情報の近似値)
aにおける年輪は36年です。
x年:504mm=36年:84mm
84x=504×36
=18144
x=18144÷84
=216年
樹皮から180年の年輪まで育つのに216年かかっている計算です。
(※偶然にも試料実測値と同じ値です。紛らわしいですがご容赦ください。)
ただし、木材は乾燥過程で木表が木裏より余分に縮むため、年輪の弧はやや広がります。
それを考慮し、1割減じて194年。(端数除外)
更に、樹芯が中心からずれていた可能性を考慮し、1割減で174年。(同上)
r-a=174-36
=138年
したがって当該材の樹齢は、
確認済み年輪216年+欠如年輪138年=354年
と推定されることをご報告いたします。
なお、当該試料は地上3m程度の位置にあたると思われ、実際の樹齢は更に高い可能性を否定しません。
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